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造形構想学部・造形構想研究科の「いま」を伝える

「創造的思考力」を培う教育とは? 教授陣が語る学びの特色 第1回

実技を通して「物事を考える方法」を学び
知恵を身につけた“目利き”を養成する
篠原 規行教授・造形構想学部長
(2019年4月着任予定)

クリエイティブイノベーション学科では、1・2年次を基礎課程、3・4年次を専門課程に分けています。今回は基礎課程の学びからお話ししたいと思いますが、この課程においてもっとも特色のある授業は、2年間を通じてアートやデザインの実技——造形教育を行う「造形実習」です。これは、表現やものづくりの経験の有無に関わらず、学生全員が受講する必修科目となります。

実技と聞くと、デッサンがうまく描けるようになる、情報を整理してデザインできるようになるというふうに、表現技法を伸ばす教育と思われるかもしれません。しかし、「造形実習」の一番の目的は、実技の課題を通して「物事を造形的に考える方法」を学ぶことにあります。

例えば、ペットボトルをデッサンするとしましょう。2時間も3時間もかけて描く間、みなさんは単に手を動かしているだけでしょうか? 目の前に置かれたものを観察し、自分が描いたデッサンと見比べる作業を繰り返す中で、「飲み口のデザインはこうなっているのか」「側面に溝が入っているのはどうしてだろう?」などと、ペットボトルについて多くのことを考え、また普段は見落としていたような新たな気づきを得るはずです。

つまり、「造形実習」とは、絵画、デザイン、工芸、映像など、さまざまな表現技法で何ができるのかを知るのと同時に、対象をしっかりと観察し、考えることができる造形言語のリテラシーを身につけることが狙いなのです。課題の最後には講評会の場を毎回設けるため、各分野の専門家の意見を聞き、アートやデザインの奥深さに触れることもできるでしょう。

この「造形実習」に加えて、基礎課程では教養文化・身体運動文化・言語文化・造形文化と多彩な分野から構成される教養教育や、現代社会や産業への理解を深める講義も用意しています。例えば「現代産業論」は、アート、デザイン、テクノロジーがどのように社会や産業と関わり、イノベーションを起こしてきたのかについて理解を深め、これからの未来を思考する力を養う重要な科目です。また、現代社会の課題を自ら見出し、さまざまなリサーチ、分析スキルを学ぶ「フィールドリサーチ」などの授業も開講します。こうした学びを通して、みなさんには知識ではなく知恵を身につけた“目利き”となってほしいと考えています。

1960年香川県生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修了。従来の映像の枠を超えた表現と提示法を実践し、造形全般を視野にいれた映像領域イメージフェノメナンを展開する。

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