GINZA STREET LAB
ポジティブなノイズをおこして、まち・人との関係をつくる3つの実験

長い歴史の中で職人の町からグローバルな商業地へと発展してきた銀座は、生活・消費環境の変化に伴い変容変革を繰り返してきました。サステナブルな経済活動とは何かが問われる今、若い世代が銀座のまちを生態系としてとらえ「人も自然の一部」と認識したとき、彼らの感性に現在のこのまちはどのように映るでしょうか。そう考えたのが、資生堂クリエイティブ本部と武蔵野美術大学による「Crafting New Beauty 2021 ーサステナブルな美の生活価値の共創*」の出発点でした。

このプロジェクトは、資生堂ウィンドウアートプロジェクト「銀座生態図」と連動し、銀座の「人の生態系」を体験的に深掘りし、人の営みによって成り立つまちのポテンシャルを読み解くことから未来を切り開こうとする産学共同プロジェクトです。外から見た銀座には老舗や高級店が立ちならぶイメージが先行しますが、エリアによりまちの表情は異なります。銀座になじみがなく居場所をもたない学生たちは、エリアごとに3グループに分かれ、資生堂クリエイティブ本部ほかクリエイターチームのサポートのもと、パフォーマンスの手法を用いたアーティスティックリサーチによる路上観察を進めました。そして「銀座を生きる人々」との対話の時間を設け、見過ごされがちな銀座の日常にあらためて価値を見出し、まちの人々と自分たちとの間の感覚的でありながら本質的な関係を築くために、ことばー音ー色を媒介にした<実験的パフォーマンス>を試みました。

柔軟で、軽やかで、ユーモアがあり、大胆で、思いやりのある3つのプロトタイプとビジョン、その体当たりな創作プロセスをまずはご覧ください。次によろしかったら、彼らが体験した銀座の時空間を追体験してみてください。本プロジェクトの取り組みが、現代の銀座のまち・人の生態系に「ポジティブなノイズや違和感」として受け入れられ、世代を超え感性が共鳴する健やかな新陳代謝、すなわちサステナブルな美の未来創造へとつながることを期待しています。