プロジェクト概要
2022年に滋賀県長浜市に誕生した公設民営のデザインセンター「長浜カイコー」。
この長浜カイコーから歩いて10分ほどの城下町の中に「吉田邸」があり、今は空き家となっている。およそ200平米ある立派な鰻の寝所のようなこの家は、明治時代から旅館/住宅として長年使われており、当時の家財道具がそのまま残されている。
この吉田邸を、県外から訪れる学生や研究者などが長浜で活動する際に滞在する拠点として再建するために、家財道具の仕分けをしなければならない。この町と人々の生活の中にあった家財道具にはナラティブ(多角的な物語)が眠っている。家財道具は歴史の証人と言える。当プロジェクトは長年愛用されてきた道具の再活用と処分の仕方のリサーチ&デザインである。
当プロジェクトはナラティブアプローチ(物語性を扱ったアプローチ)を主軸に置いて活動を行った。地域に眠るあらゆる角度の物語をリサーチし、アウトプットに落とし込む一連のプロセスを応用して、長浜でライブプロジェクトとして実施した。最終アウトプットとして、長浜カイコーで展示とギャラリートークを実施した。
学生の感想
長浜は、長きにわたって続いてきた歴史を大切にしながら、それと寄り添うように暮らしが形成されている街である。我々は1カ月間、長浜を離れずに、リサーチ・インタビューから家財道具のリデザインまでを行った。その制作期間の中では、家財道具を通して見えてくる人々の「暮らし」に思いを馳せることを重視したが、『暮らしに寄り添う』というその態度は、きっと長浜という街に1カ月生活したからこそ、辿り着けたものだと考えている。(濱田浩嵩)
-
連携先
-
担当教員
-
実施年度
-
定員