プロジェクト概要

大分県日出町は大分空港と別府に挟まれた、自然が豊かで、温泉があり、林業・農業・水産業が盛んな地域である。特に水産業は「城下かれい」というブランドで知られ、豊かな資源を持っている。しかし、第一次産業就業者、特に水産業の就業が衰退しており、豊かな資源を生かしたまちづくりがなくなり始めている。循環型社会、地域と言われる中、このような可能性を持った地域がどのように生き残っていくか、どのように豊かな暮らしを維持していくかが、デザインのテーマである。


プロセスと成果(着眼点、アプローチ等)

日出町に16日間滞在しながら、地元を調査・地元の人々と対話し、生活に溶け込み様々な提案を行った。南端小学校という廃校を中心とした地元の可能性や、廃止になった漁業市場後を活用したマルシェの提案、イベントの提案などである。彼らのひたむきな活動は地元紙にも掲載され、地元の可能性を掘り起こす事になった。このように、学生たちの眼差しや活動は、膠着化した地元の土壌を掘り起こしフカフカにしていく役割を担っている。また彼らの蒔いた種はこのプログラムに終始せず、強い繋がりを形成し、第二の故郷、我が娘、息子という意識を創造しており、地域の関係人口づくりや新しい交流人口創造の可能性を創出している。


担当教員の総括

豊かな地域の第一次生産者の減少、人口の減少は止まらない。それは産業が不毛という話ではなく、比較論的に都市部が豊かに感じる私たちの意識の話だと思う。学生達は、産業の為、経済の為のデザインの必然性も感じながら、地域の見えない資本(くらし、人、営み、繋がり、知恵)に価値を見出しており、この新しい交流と学びは、地域にとてもインパクトのある活動となり得ている。

  • 連携先

    大分県日出町

  • 担当教員

    若杉浩⼀

  • 実施年度

    2021年度

  • 定員

    学部3年4名/⼤学院1名