大分県日出町プロジェクト

大分県日出町は、大分空港と別府に挟まれた、自然豊かな林業・農業、そして水産業が盛んな町である。水産業は「城下かれい」というブランドで知られているが、一方でその就業が衰退しており、地域の生き残りと豊かな暮らしの維持が町の課題である。
本プロジェクトでは、16 日間の滞在調査を経て、地元住民に対し地域の可能性についてのプレゼンテーションを行った。学生たちの地域への眼差しは、膠着化した地元に新たな視点を与え、その土壌を耕す役割を担っていると考える。また、彼らの蒔いた種は本プログラムに終始せず、地域の関係人口づくりや交流人口の創出につながる可能性を秘めている。
地域の一次産業従事者の減少は、単に人口の減少の結果だけでなく、地域に「何も無い」と感じる意識の問題が大きいのではないだろうか。学生たちは産業・経済に資するデザインの必然性も理解しつつ、地域の見えない資本（暮らし、人、営み、繋がり、知恵）に価値を見出した。この新しい学びは、地域に多大なインパクトのある活動となり得ている。