皆越涼馨(UIデザイナー)

● 就職先
RICOH
● 採用職種
UIデザイナー

学んできたことは、社会に必要なことだった
就活で知ったCI学科の同時代性と汎用性

大学受験するときから、UIデザインをやってみたいと思っていたんです。高校生の当時はデザインはやってみたいけど、広告やグラフィックデザインはあんまりピンと来てなかった。そんなときにムサビに新設学科が開設されると知り、カリキュラムを読んだらUXデザインやUIデザインという言葉を知ったんです。そして調べていくうちに「UX/UIデザインっておもしろそうだな」と自分の興味に合致したような気がしました。

就職活動ではUIデザイナーの募集枠を探して、最初はIT企業を中心に探していました。そのうちにメーカーという選択肢があることも知り、RICOHに応募。まずはポートフォリオとエントリーシート、受かると次の選考でデザイン試験…大きな企業なので選考のステップは多かったです。ただその内容は「この内容、授業課題みたいじゃん」と感じることがとても多くて。CI学科の授業で取り組んできたことが、そのまま出てきた感じです。こうやって話すと某通信学習教材の漫画みたいになっちゃいますけど…(笑)。CI学科で学んでいたことはこうして社会に求められているんだと知りました。

これまでと出発点が違えば、ユーザーとの接点も増える

あるタイミングまでは、「別にデザイナーになりたいわけじゃないのかもな」とか色々思ってて。でも大学一、二年生で絵画からデザインなど幅広く学べたおかげで、「自分は真剣にデザインがやりたいんだな」って確信しました。その後IT企業でインターンをする中で、元々はUXに興味があったけれど、ユーザーの体験の設計よりも、ユーザーの思考を先回りするUIデザイナーの仕事のほうが自分のやりたいことに近いなと気付けました。

例え見た目がかっこいいデザインができたとしても、ユーザーにどう受け入れてもらえるかが大事だと思っています。そういう意味だと、課題発見授業や産学プロジェクトを通し、コンセプトや着眼点について、人とは違うスタート地点を選べるようになっているのはアドバンテージです。幅広い視点で背景をしっかり汲んでいるからこそ、デザインに説得力を持たせられると思っています。

社会に出てからやりたいこと

UIデザインは力強いグラフィックやカラーリングで決まるものではなく、ボタンの配置や全体のバランスを整えていくこと。そこを調整していくのがおもしろいんですよね。例えば、キャンセルボタンと保存ボタンがあって、そのキャンセルボタンの色を塗りつぶすか、何色にするか、上下左右どこに置くか…そういうことだけで、ユーザーの動きが全く変わっちゃう。 デザイナーのちょっとした気遣いや、行動を先回りをすることで、体験を変えることができるUIの面白さを考え続け、働いていけたらと思ってます。

これから大学を選ぶ高校生へ

私は好奇心が旺盛な人間だと思ってるんですけど、興味ってなんか賞味期限がある気がしてて。例えば電車の窓から見えた看板が面白いなとか思っても、 調べなかったら、多分すぐ次の駅には忘れちゃう。でも調べると、知らなかったことに出会えるんです。私には「なんでだろう?」とか「面白いな」とふと浮かんだ興味を放置せず、すぐ調べたり、メモしておく習慣があります。もし進路に悩んでいるなら、とりあえず「おもしろそう!」と思った場所について調べてみたらいいんじゃないかな。好奇心を無駄にしないのは、大事なことだと思ってます。